給食費の無償化

今年の3月から、仲間たちと共に「鳥羽市の給食費無償化を求める会」として、小中学校の給食費の無償化を求める署名を集めてきました。

なぜ私が給食費を無償化すべきだと思うかというと、理由は2つあります。

まず、給食は学びの時間であり、子どもの権利として授業料や教科書代と同様に無償であるべきだから。

給食は当然、学校にいる間に食べます。学校で食事をするからには、そこになんらかの学びがあると思うんです。例えば、栄養バランスの整った食事がどういうものであるか学べる。自分が親として用意する家庭での食事を見ていても、仕事をしたり、子どもの世話をしたりの合間にする食事ではどうしても、味噌汁と丼もの!とか、サラダとスパゲッティー!とか、ジャムぬったパンと牛乳!とかになりがちです。本当は、一汁三菜を知って欲しいのに・・・。

また、彩の良い盛り付けや、誰かと一緒に食べるって楽しい、ということを学ぶ場でもあると思っています。栄養バランスをはじめとして、これらのことって、残念ながら家庭では学ぶことができない子どもたちが一定数存在するわけです。そういった状況にある子どもたちを含めた全ての子どもたちにとって、学びの場を保障するのが、私たち大人の役目なんじゃないかと、私は思っています。

2つ目は、給食費の無償化をやっている自治体がたくさんあるから。

この動きは全国の自治体で広がっていて、全自治体の3割にあたる547の自治体が、何らかの方法で給食費の無償化をしているんです。これは完全に流れがきていますし、最近では国もいずれは無償化という向きになってきました。これまでの鳥羽市の子どもや子育て家庭に対する支援の動きを見ていると「国がいずれやるんだから、その時にやりますよ」って感じになりそうだな、と感じていました。使用済みオムツの持ち帰りが県の方針と予算づけによって無くなったときに感じた惨めな気持ち(市の予算ではやりたくないけど県が大半出してくれるならやるか〜、ってメッセージを私は受け取りました)を、給食費の無償化では味わいたくない!という思いもありました。

そんな思いで、周囲の人に呼びかけたり、個別訪問を行ったり、オンライン署名サイトを利用したりして集めたリアル、オンライン合わせた1029筆の署名を8月27日に市長と教育長宛に提出しました。その際中村市長は「重く受け止めます」とコメントしました。

一方、9月の鳥羽市議会本会議の一般質問で、給食費の無償化についての質問がありましたが、市長は「給食費は、教育費・通学費と同様無償であるべきと考えるが、給食費は、国が学校給食法を改正し、食材も含めて国費の負担とすべき」と答弁しています。また、人口1万7千人程度の鳥羽市で上記の数の署名が集まったことに対し「重く受け止める」とコメントしたにも関わらず、「昨年12月の答弁(昨年12月にも同じ内容の質問がありました)から私の中では状況は変わっていない」とも言いました。

ちょっと、そんな言い方ってある?

というのが率直な感想でした。私たち、署名を提出する際に活動の中で聞いてきた当事者の声も読み上げて伝えたんです。「子どもが5人学校に通っているので、無償化したら助かります」とか「絶対に無償化して欲しいから署名集めます!」とか「働いている志摩市では無償だから鳥羽市でもして欲しい」とか、そういう声を。そういうのを含めて「状況は変わってない」なんて、どうして言えるんでしょうか。

しかし、この12月、状況は変わりました。12月3日の市議会本会議、一般質問にて、給食費の無償化について問われた市長は「学校給食日の無償化につきましては、時期と方法とがありますけども、いままでのように無回答ではなしに、やる方向で検討したいと思います。」と答弁しました。

この3ヶ月で何があった!?って感じですよね。

実は9月の答弁を受けて、私たち鳥羽市の給食費無償化を求める会では、さらに署名を集め、第二次集約として提出するつもりで動いていました。ちょっと肩透かしくらったような感じです。

これまで一貫して、進めるつもりはないという姿勢でしたが、やる方向で検討なので大きな一歩と言えるでしょう。しかし、具体的な実現時期については名言をしていません。市長の任期が来年4月までですが、それまでの実現は考えていないようです。

鳥羽市の給食費無償化を求める会としては、12月20日付で263筆の追加の署名を提出し、改めて給食費の無償化を求めました。

市長選の争点になると思ったのか、国がやる気を出しているからそのうち国の予算がつくし、とりあえずやるって言っとこう、って感じなのか、わからないけれど、5月以降の市長(現職も続投の意思あり)次第でどうなるかが変わるので、まだまだ注視していく必要があります。

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